コーチ自身が、過去の自分を認めているか?

コンサルタント、コーチング、カウンセリングにつかうセールス・トークとして

『毎朝の通勤地獄、残業時間3ケタのダメサラリーマンだった僕が』
『つまらない仕事、パワハラ上司、女子会マウンティング三昧で、人生に何の希望も見出せなかった私』

などなど、ご本人の「過去のダメな自分」を引き合いに出して、

『今の私は過去の『ダメな私』からこんなに変わりましたよ!』

といった文章を、これでもかと沢山見かけます。

「これだけ変われた」という比較、つまりビフォーアフターを見せることは、何を売るにしても、商品の魅力を伝える上で大事なことですし、その商品を必要とする人たち、特に「変わりたい」と願っている人たちの心理に訴えかけるには、とても効果的です。これは悪いことでもなんでもありません。

 

しかし、時々感じるのが、
「変われた今の自分」を強調するあまり、
「過去のダメだった自分」を、あまりにもけなしている人がいる。
現代風に言うならば、ディスっている、と言いますか。

過去の自分のこと、自分の置かれた環境、
仕事、人間関係、家庭環境、親子関係など、
当時は本当に本当に本当に嫌で、苦しんで、もがいて、
変わりたくて、変えたくてたまらなくて、
もの凄い努力をされて、成果を出して、
そのノウハウを立派な商品にされてるのは
とても伝わってくるのですが、
「ここまで卑下するのは何故だろう?」と感じることがあります。
まぁ、セールストークという面で誇張が入っているのかもしれませんが。

 

講師業、コンサルタント、コーチ、カウンセラー、アドバイザー、セラピストなど、なんでもいいですが、ご自身のセールストークやブログで「過去のご自身の姿」に言及されたことのある皆さん!

そんな「ダメだった過去の自分」、今では愛せていますか?

特に強く疑問を感じるのは、
ブログやSNSなどのメディアで、「今の幸せな自分」を見せるのと同時に、事あるごとに、「過去のダメな自分」を引っ張り出しては叩く人。

「この幸せ、XX年前の私に見せてやりたい」とか、
「あの頃のダメ社員だった俺に比べたら」とか、
事あるごとに、過去の自分を卑下する人。
昔の自分が、今でもそんなに大嫌いなんですか。

過去の自分が許せない人が、
「今の自分は、これだけ成功しました!変われました!」
「未来は自分で作れます!変われます!」
と声高に言っていても、
この人、今の自分を本当に信頼出来てるのかな?と思ってしまう。

なぜなら、今どんなに劇的に変わったとしても、
「過去の自分がいた」という事実は変えられない。
結局、その事実から目を背けて、認めたくないだけなんです。

その過去の自分の良い部分も嫌だった部分も、白歴史も黒歴史も全て、その存在を丸ごと認めて、許して、愛してあげられないのなら、

過去の自分を否定しながら、殺し続けながら、その屍の上で「今の自分」を売り出しているのと同じこと。

そんな人から、サービスを受けたいですか?

 

Aさん「仕事も恋愛もダメ、会社や社会に文句ばかり言ってたダメサラリーマンだったけど、あの頃の自分があったから頑張れた。今では笑っちゃうくらいだけど、あの時は必死だったんだなぁw」

Bさん「昔の自分なんて思い出すのも嫌。馬鹿でしかない」

あなたがコーチングを受けるなら、AさんとBさん、どちらから受けたいですか?

 

これね、
「過去の自分を全てポジティブにとらえろ」
「ダメな自分を忘れろ」
ということではないんですよ。

思い出したくないこと、恥ずかしい経験、期待されながら失敗したこと、やりきれずに逃げ出してやめたこと。生きていれば、誰でも持っています。そんな自分を、今はどう感じていますか?今だに許せませんか?それはなぜですか?

 

「自分を変えたい、人生を変えたい」と思って自己投資している人は特に。

お金を払う前に、そのサービス提供者が「過去の自分をどう思っている人なのか」を、ブログやSNSの文面から見極めることをお勧めします。

私自身、受講への一つの判断材料にしています。