生涯マイル

JALマイレージバンクのサイトで「生涯マイル」という、これまでのJAL搭乗記録が全て一覧できるページがある。自分の搭乗記録を眺めてみると、とても感慨深かった。

最も長く空の上にいたのは、新卒の就職活動をしていた年で、半年で22フライトとビジネスマン並み。(注)学生ですよ。とはいえリッチな就活とは程遠く、まだLCCも少ない頃で、就活費用は全て大学でのチューターやバイト代。地上では修士論文、機上では企業へ提出するエントリーシートやレジュメを必死に書きなぐり、「卒業後はとりあえず会社へ就職」という思考に何の疑問も持たずに、将来の不安を募らせていた日々。

企業からの「お祈り」ばかりが続いていた時期、一番安い最終便で、深夜、羽田から帰るときに見下ろした東京の夜景と、その向こうに広がる真っ暗な空と海、それを眺めていた心地は今でもはっきりと覚えている。でも今は、そこから目を背けたくない不思議な愛おしさがあるから不思議だ。

触れるとどこかが傷つくような尖った思い出も、時間という河の流れの中で丸く滑らかになったのだろうか。当時の気持ちは、今の私に大切なことを教えてくれている気がして、そして勇気が出るのだ。

 

数字とアルファベットの羅列だけでこんなに豊かな感情を呼び起こして問いかけてくれるから、旅の記録というのは不思議だ。旅は人生を豊かにする。就職活動のためのフライトだけで、私は人生を振り返り、慈しむことができたのだ。

もっともっと世界を旅して、そこで出会って、記録と記憶に刻んで生きたい。